「予算には政府を制御する力があまりない。もっとも、政府にも予算を制御する力があまりないのだが」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”The budget doesn’t have much control over the government. Then again, the government doesn’t have much control over the budget.”

日本語訳

「予算には政府を制御する力があまりない。もっとも、政府にも予算を制御する力があまりないのだが」

解説

この名言は、財政と政治のねじれた関係を風刺的に描いたものである。P・J・オロークは、民主主義国家において理想的には「予算」が政府の行動を規制すべきであり、逆に政府が「予算」を計画的に運用すべきであるにもかかわらず、実際にはそのどちらも十分に機能していないという現実を、簡潔かつ皮肉な言葉で表現している。

前半の「The budget doesn’t have much control over the government」は、財政赤字や歳出の膨張にもかかわらず政府が拡大・浪費を続けるという現状への批判である。一方、後半の「the government doesn’t have much control over the budget」は、議会のねじれや官僚主義、既得権益などによって、政府自身が予算を柔軟に管理できないという制度的限界を示している。つまり、両者が互いに制御すべき立場でありながら、どちらも機能不全に陥っているという二重の皮肉がここには込められている。

この名言は、現代の多くの国家財政――特にアメリカの債務上限問題や「政府閉鎖」など――に見られる非効率と無責任の構造を象徴している。オロークのユーモアは、深刻な制度的問題を笑いとともに鋭く浮き彫りにする手法であり、この一言は政治家にも有権者にも、財政感覚と制度改革への自覚を促す警句として機能している。

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