「聖書が一つだけ明確にしていることがある。それは、公平さを作り出すために政治を用いることは罪であるということだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”The Bible is very clear about one thing: Using politics to create fairness is a sin.”

日本語訳

「聖書が一つだけ明確にしていることがある。それは、公平さを作り出すために政治を用いることは罪であるということだ」

解説

この名言は、宗教・道徳と政治的介入の関係を風刺的に表現している。オロークは、聖書が「公平」を重んじていると一般に解釈されがちな中で、あえて逆説的に「政治による公平の追求は罪だ」と断じている。ここには、政府が「公平」を名目に権力を拡大することへの批判と、宗教的価値観の政治的利用への皮肉が込められている。

背景には、アメリカにおけるリベラル派と保守派の政治的対立がある。リベラル派は再分配政策や社会保障を「公平」の実現と位置づける一方、保守派やリバタリアンはそれを「政府による過剰介入」とみなし批判してきた。オロークはこの対立を、聖書という道徳的権威を引き合いに出すことで、風刺的に揶揄しているのである。

現代に応用すると、この言葉は公平の概念とその手段を問い直すきっかけとなる。公平は望ましい理念であるが、政治を通じて強制的に実現しようとすれば、権力の乱用や自由の制限を招きかねない。オロークの皮肉は、政治的スローガンに隠された権力意図を見抜き、公平の実現はまず個人や社会の自発的行動に委ねるべきだという視点を示しているのである。

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