「最も優秀で聡明な者は政治の世界には行かない。最も優秀で聡明な者はゴールドマン・サックスにいる」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”The best and brightest don’t go into politics. The best and brightest are at Goldman Sachs.”

日本語訳

「最も優秀で聡明な者は政治の世界には行かない。最も優秀で聡明な者はゴールドマン・サックスにいる」

解説

この名言は、政治と金融エリートの対比を辛辣に描いたものである。オロークは、理想的には「最も優秀な人材」が国家運営に携わるべきだが、現実には彼らは政治には進まず、高収入と名声を得られる金融業界に集まっていると指摘する。ここには、政治家の資質への失望と、金融業界の影響力の強さへの風刺が込められている。

背景として、1980年代以降のアメリカでは、ウォール街の金融機関が経済と政治に強大な影響力を持つようになった。特にゴールドマン・サックスは、政府高官や政策決定者を数多く輩出する「政商的人材供給源」として知られており、「ゴールドマン政権」と揶揄されることすらあった。オロークはその現象を逆説的に描き、政治の場から優秀な人材が遠ざかる皮肉を表現している。

現代に応用すると、この言葉は人材の流動と社会的優先順位を問い直す視点を与える。高い知性や能力を持つ人々が公共の利益ではなく私的利益のために働く社会では、政治が劣化し、経済的格差が拡大する危険がある。オロークの皮肉は、国家にとって最も必要な場所に本当に優秀な人材がいるのかという根源的な疑問を投げかけているのである。

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