「ありがとう、ウォール街を占拠せよ。君たちが見せてくれた反資本主義のあまりに惨めな姿のおかげで、私の子どもたち3人全員を投資銀行家にする決心がついたよ」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
“Thank you, Occupy Wall Street. With your vivid example of anticapitalist squalor, I’ve been able to convince all three of my children to become investment bankers.”
日本語訳
「ありがとう、ウォール街を占拠せよ。君たちが見せてくれた反資本主義のあまりに惨めな姿のおかげで、私の子どもたち3人全員を投資銀行家にする決心がついたよ」
解説
この名言は、反資本主義運動に対する鋭い皮肉と、資本主義の魅力(あるいは避けられなさ)に対する逆説的な肯定を込めた、P・J・オローク特有のウィットに富んだ一言である。「Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」は2011年に始まった、経済的不平等や金融エリート主義への抗議運動であり、特に若者やリベラル層に支持された。
オロークはこの運動を「vivid example of anticapitalist squalor(反資本主義の鮮烈なまでにみじめな例)」と呼び、抗議の場が不潔で混沌とし、非現実的な理想に満ちていた様子を揶揄している。そしてその結果として、「子どもたちを投資銀行家にする」という選択が美徳や理念ではなく、現実的な比較によって導かれたことを強調している。
この名言の真意は、理想主義が現実を変える力を持たなければ、それ自体が資本主義を強化する逆効果になりかねないという痛烈な批評である。つまり、清貧や怒りを掲げるだけでは、資本の魅力や機能に対抗できないどころか、かえってそれを際立たせてしまうという逆説的な構造を笑いとともに突いている。理念と現実の落差を鋭く暴き出す、社会風刺の達人による一撃である。
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