「結婚を続けることには長期的な利点があるかもしれない。良い離婚よりも悪い結婚生活のほうが、友人からはるかに多くの同情を引き出せる」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“Staying married may have long-term benefits. You can elicit much more sympathy from friends over a bad marriage than you ever can from a good divorce.”

日本語訳

「結婚を続けることには長期的な利点があるかもしれない。良い離婚よりも悪い結婚生活のほうが、友人からはるかに多くの同情を引き出せる」

解説

この発言は、結婚と離婚に対する社会的態度を風刺的に捉えたものである。一見すると結婚継続を勧めているように見えるが、実際には人間関係や他人の共感のメカニズムに対する皮肉である。オロークは、不幸であることのほうが周囲の共感を得やすいという逆説的な現象をユーモラスに指摘している。

「悪い結婚」からは人々の同情心や慰めの言葉を引き出せるが、「良い離婚」——つまり円満で理性的な離婚——に対してはむしろ反応が薄く、同情の余地がないとされる。これは、社会が悲劇や苦しみには感情的に反応しやすい一方で、成功や平穏には無関心であるという、人間の心理的傾向を表している。

この名言は、結婚や離婚の本質を論じているというより、他者からの評価や関心が人の行動や感情に与える影響に焦点を当てている。現代社会において、私生活の「物語性」やドラマ性が共感や支援を呼ぶ構造を巧みに突いた、辛辣かつ機知に富んだ一言である。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「P・J・オローク」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る