「物の価値とは誰かが支払う金額で決まる。それ以上でも以下でもない」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“Something is worth what somebody will pay for it. Nothing else, nothing more, nothing less.”

日本語訳

「物の価値とは誰かが支払う金額で決まる。それ以上でも以下でもない」

解説

この言葉は、市場経済における価値の本質を端的に表現した言明である。価格や価値という概念はしばしば客観的であるかのように語られるが、最終的には「需要と供給」によって決定されるという冷徹な現実を突きつけている。誰かがそれに金を出すかどうか、それだけが価値の唯一の基準だという見方である。

この考え方は、古典的な経済学や自由市場の原理にも通じる。たとえば、芸術作品やブランド品、不動産、暗号資産などの評価も、本質的な「内在的価値」よりも、市場が認める価格に依存している。これはときに理不尽で、またときに滑稽でもあるが、現実の経済活動では避けがたい基準である

この発言には、ロマンや理想主義に対する冷笑的なリアリズムが見て取れる。何かに高尚な意味や象徴性を求めたくなる人間の性に対し、オロークは「結局は誰がいくら払うかでしかない」と切り捨てる。それは現代資本主義社会における価値判断の限界を、一種の風刺として浮き彫りにするものである。

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