「ピート・シーガーは、控えめで飾らず、陽気で親切な性格の男だ。フォークソングに耐えられるなら、彼は優れたフォーク歌手である。そして彼は非常に見事なバンジョー奏者なので、思わずワイヤーカッターを取り出したくなる衝動が、ほとんど湧かないほどだ」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
“Pete Seeger is a modest, unassuming, cheerful, and kind-natured man. He’s a good folk singer, if you can stand folk singing. And he’s such an excellent banjo player that you almost don’t wish you had a pair of wire cutters.”
日本語訳
「ピート・シーガーは、控えめで飾らず、陽気で親切な性格の男だ。フォークソングに耐えられるなら、彼は優れたフォーク歌手である。そして彼は非常に見事なバンジョー奏者なので、思わずワイヤーカッターを取り出したくなる衝動が、ほとんど湧かないほどだ」
解説
この名言は、称賛と侮蔑が絶妙に混じり合ったP・J・オローク特有のユーモアを示している。冒頭では、ピート・シーガーの人柄を素直に評価するような表現で始まりながら、すぐに「フォークソングに耐えられれば」「ワイヤーカッターを持ち出したくなるほど」といった辛辣な比喩と皮肉が続く。
ここでのオロークの狙いは、フォークミュージックのジャンルや、そのメッセージ性(しばしば左翼的・社会運動的)に対する距離感や反発をユーモアとして表現することにある。ピート・シーガーの技量自体には一定の敬意を払いつつも、ジャンルそのものや熱心な社会運動家としての側面に対しては明確に冷笑的である。
このような表現は、単に個人への評価ではなく、文化的立場の違いや美的嗜好の対立を象徴するものでもある。オロークは、不快感すら笑いに変える比喩の巧妙さによって、自分とは異なる価値観へのスタンスを読み手に伝えている。この名言は、好意と毒舌の共存というオロークらしい文体の見本である。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?