「人々は自由市場を一種の哲学だとか信条だとか思っている。だがそれはどちらでもない。自由市場とは体重計であり、巻尺であり、単なる『測定』なのだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“People think the free market is a philosophy, they think that it is a creed. It is none of those things. Free market is a bathroom scale, it is a measuring tape, it’s simply a measurement.”

日本語訳

「人々は自由市場を一種の哲学だとか信条だとか思っている。だがそれはどちらでもない。自由市場とは体重計であり、巻尺であり、単なる『測定』なのだ」

解説

この名言は、自由市場をイデオロギーではなく現実の客観的な反映と見る視点を端的に示している。P・J・オロークは、自由市場を「信じる対象」とするのではなく、物事の価値や需要を測るための中立的なツールにすぎないと述べており、そこには経済の本質に対する合理主義的な考え方が表れている。

「自由市場は体重計や巻尺である」という比喩は、市場は世界の状態や人々の選好を反映する装置にすぎないという考えを表現している。体重計が「体重という事実」を示すだけであるように、自由市場も「人々が何を求めているか、何に価値を見出しているか」を示すだけである。つまり、市場自体には善悪の判断はなく、それをどう使い、どう反応するかが問題だという立場である。

この言葉は、市場に過度な道徳性や政治的信条を重ねることへの批判でもある。オロークは、自由市場を神格化したり、逆に悪魔化したりする二極的な議論を退け、もっと現実的・実用的に捉えるべきだと訴えている。政治的対立を超えて、経済の仕組みを道具として見る冷静さを促す一言である。

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