「人々は常にアメリカに怒っている。自分たちの問題はアメリカが引き起こしたか、あるいは意図的に解決しようとしていないと確信している。しかし、その怒りはいつも『アメリカ』に向けられ、『アメリカ人』には向けられない」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“People are always angry at America. They’re absolutely certain that America either caused their problems or is deliberately not fixing their problems. But the anger is always directed at America and never at Americans.”

日本語訳

「人々は常にアメリカに怒っている。自分たちの問題はアメリカが引き起こしたか、あるいは意図的に解決しようとしていないと確信している。しかし、その怒りはいつも『アメリカ』に向けられ、『アメリカ人』には向けられない」

解説

この名言は、国家としてのアメリカと国民としてのアメリカ人との間にある認識のギャップを鋭く指摘している。P・J・オロークは、国際的な反米感情が「システムとしてのアメリカ」への怒りに留まり、「人間としてのアメリカ人」には向かないという現象に注目している。

この現象は、アメリカが世界の問題に対して圧倒的な影響力を持つ国家であるがゆえに、「原因」あるいは「無責任な傍観者」として非難されやすいことに由来する。だが一方で、個々のアメリカ人は多くの場合、友好的・善意的に受け入れられる。ここには、国家の政策と国民一人ひとりの人格とを分けて認識するという矛盾的な寛容さがある。

オロークはこの構造を通して、国際政治の批判がしばしば抽象化された対象(国家)に向けられ、具体的な人間には責任が問われないという現代社会の傾向を風刺している。同時にこれは、アメリカという国が持つ象徴的意味と、そこに住む人々の現実との乖離を可視化する一言でもある。

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