「世界の特定の社会が抱える持続的な問題の一つ――そしてこれは中東の多くの地域に確かに当てはまる――は、自治と自己組織化の能力が存在しないことである。それは歴史に起因している」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”One of the enduring problems with certain societies in the world – and this is certainly true of a lot of places in the Middle East – is that the capacity for self-governance and self-organizing just isn’t there. It has to do with history.”

日本語訳

「世界の特定の社会が抱える持続的な問題の一つ――そしてこれは中東の多くの地域に確かに当てはまる――は、自治と自己組織化の能力が存在しないことである。それは歴史に起因している」

解説

この名言は、中東を中心とした地域社会の統治の困難さを歴史的背景に結びつけて語った発言である。オロークは、民主主義や自律的な社会制度が容易に根付かない理由として、文化的・歴史的な蓄積の不足を指摘している。つまり、外部から制度を導入しても、地域の歴史的経験や伝統が伴わなければ機能しないという現実を示している。

背景として、アメリカや西欧諸国が中東に民主主義や近代的統治制度を持ち込もうとした試みが、しばしば失敗に終わった歴史がある。植民地支配、部族社会の構造、宗派対立などが複雑に絡み合い、自己統治の基盤となる制度や文化が十分に形成されなかった。オロークはその点を冷静に指摘し、外部からの介入の限界を示唆している。

現代的に見れば、この言葉は国家建設や民主化支援の難しさを理解する上で重要である。単に制度を輸入するだけでは社会は安定せず、歴史的背景や文化的条件を無視すれば逆効果になる場合もある。オロークの指摘は、歴史を理解することが国際政治や地域安定の前提であることを強調しており、今なお有効な警句となっている。

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