「生きている記憶の中で、日刊の印刷ジャーナリズムほど急速に崩壊した産業はない」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”No industry in living memory has collapsed faster than daily print journalism.”

日本語訳

「生きている記憶の中で、日刊の印刷ジャーナリズムほど急速に崩壊した産業はない」

解説

この名言は、日刊紙を中心とする印刷メディア業界の急速な衰退を、歴史的な視点から強調している。P・J・オロークはここで、「living memory(生きている人間の記憶)」という表現を用いて、我々がまだ体感できる範囲での出来事であることを強調しつつ、そのスピードと衝撃の大きさを伝えている。

1990年代までは、新聞は情報の王者であり、世論形成や政治監視の中心的存在だった。しかし、インターネットの登場とスマートフォンの普及により、情報の即時性・双方向性・無料化が進み、紙媒体の存在意義は急速に希薄化した。オロークはこの現象を、「崩壊(collapsed)」という強い言葉で端的に表現している。

この名言はまた、テクノロジーと消費行動の変化が、いかに既存の権威構造やビジネスモデルを一気に崩すかという現代社会の特性を浮き彫りにしている。情報をめぐる民主化が進む一方で、ジャーナリズムの質や信頼性が問われる時代に突入したことも示唆している。オロークは、懐かしさと警鐘を同時に鳴らすような視点で、かつての巨大産業の終焉を見つめているのである。

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