「医療費のせいで家を失うのを見たいと思うアメリカ人はいない。ボートなら? まあ、たぶん。それならあり得るかも。でも家はダメだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”No Americans wants to see somebody lose their house because of health bills. Their boat? Maybe. Maybe the boat. But not the house.”

日本語訳

「医療費のせいで家を失うのを見たいと思うアメリカ人はいない。ボートなら? まあ、たぶん。それならあり得るかも。でも家はダメだ」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この名言は、アメリカ人の価値観と医療制度の現実を、皮肉と共感のバランスで描き出したP・J・オロークらしい社会風刺である。「誰も医療費のせいで「家」を失う姿を望まない」という言葉には、住まいという人間の尊厳の最後の砦に対する強い共感が込められている。

しかし、すぐあとに「ボートなら? まあ、たぶん」と続けることで、アメリカ人特有の「自己責任」意識や資産の優先順位が笑いに転換される。つまり、「贅沢品を手放すのは仕方ないが、生活の基盤である家を医療費のために失うのは、さすがに行き過ぎだ」という道徳的なラインが示されている。

この名言は、医療破産という深刻な問題への風刺的アプローチでありながら、同時に「どこまでが自己責任で、どこからが社会的保障で守るべきか」というアメリカ的価値観の葛藤も浮き彫りにしている。オロークは、笑わせながら読者に倫理と制度の境界を考えさせるという、風刺の真骨頂をここでも発揮している。

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