「愛人には決して不実になるな――ただし妻となら別だ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“Never be unfaithful to a lover, except with your wife.”

日本語訳

「愛人には決して不実になるな――ただし妻となら別だ」

解説

この名言は、道徳の転倒をユーモアに変えた極めて皮肉な逆説である。P・J・オロークはここで、忠誠心という価値を皮肉たっぷりに裏返し、日常の不倫構造における偽善や欺瞞をあぶり出している。常識的には「妻に不実であってはならない」が道徳的立場であるはずだが、オロークはあえて愛人との関係を優先するという倒錯した倫理観を語ることで、笑いと違和感を同時に引き起こしている。

この言葉は、家庭外恋愛や不倫といった現代社会の現実と道徳とのねじれを風刺している。愛人との関係に忠誠を誓い、逆に妻を裏切ることが「許される」かのように語ることで、社会における誠実さの基準がいかに主観的かつ身勝手であるかを強調している。つまり、個人の快楽や感情が倫理を凌駕してしまう現代的傾向をあえて過激な言い回しで浮き彫りにしているのだ。

この名言は、単なる不倫の冗談として読むこともできるが、より広く「忠誠」とは誰に、何に、なぜ尽くすべきかという道徳の根幹を問いかける挑発的な言葉でもある。オロークは、笑いの裏に不快感や考察を引き出すことで、人間の偽善と欲望のリアルに迫っているのである。

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