「ネットワークテレビは長年にわたり、低金利のような退屈な番組で視聴者を引きつけようとしてきたが、その視聴者たちは後になって自分の脳が破産していることに気づく」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”Network television has been attempting to lure viewers for years with its low-interest programming only to have those viewers discover later that their brains are bankrupt.”

日本語訳

「ネットワークテレビは長年にわたり、低金利のような退屈な番組で視聴者を引きつけようとしてきたが、その視聴者たちは後になって自分の脳が破産していることに気づく」

解説

この名言は、テレビ番組の質の低下と視聴者への悪影響を鋭く風刺している。オロークは経済用語を比喩的に用い、「低金利(low-interest)」を「低関心で退屈」という意味に転じている。つまり、安易で中身のない娯楽を提供することで視聴者を惹きつけるが、それが結局は知的破産につながるという皮肉である。

背景として、20世紀後半のアメリカでは、テレビが主要な娯楽と情報源となったが、その多くが商業主義に基づいた浅薄な内容に偏っていた。教育的・文化的価値よりも視聴率や広告収入が優先され、社会全体の知的水準に悪影響を与えると批判された。オロークはその風潮を、経済破綻になぞらえて警告している。

現代への応用では、同じ構造がインターネットやSNSのアルゴリズムにも見られる。短時間の快楽を与えるが深い学びや批判的思考を奪うコンテンツが氾濫している。オロークのこの言葉は、娯楽の質を疑い、消費する情報を選び取る知的責任を持つ必要性を訴えるものとして、今なお重要な示唆を与えているのである。

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