「父は私が幼いときに亡くなり、母は思慮よりも急ぎ足で再婚した。相手は――邪悪ではなかったが、無価値な男だった」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”My dad died when I was young; my mom remarried with more haste than sense to a fellow… he wasn’t evil or anything, but he was worthless.”

日本語訳

「父は私が幼いときに亡くなり、母は思慮よりも急ぎ足で再婚した。相手は――邪悪ではなかったが、無価値な男だった」

解説

この名言は、P・J・オロークが自身の家族の過去を回想しながら、その経験を冷静かつ皮肉交じりに描写した私的な一言である。冒頭で語られる父の死は、幼少期における喪失体験として重く響くが、それに続く再婚の描写では、ユーモアと冷淡さが絶妙に交錯している。

with more haste than sense(分別よりも急ぎで)」という表現には、母親の再婚が感情的かつ拙速だったという批判が込められている。一方で、「he wasn’t evil or anything, but he was worthless(悪人ではないが無価値だった)」という語り口は、情状酌量を与えつつも、容赦のない評価を下しているのが特徴である。これはオローク特有の、人間関係を感情に流されずに突き放して見る冷笑的な視点を示している。

この言葉は、人生における家庭環境の複雑さや、親という存在の選べなさに対する諦念、さらにはその中で培われた観察力や批判精神の原点を垣間見せる。オロークにとって、こうした家庭的経験は、後の政治風刺や文化批評の根底にある懐疑と距離感の形成に大きく関わっていたと考えられる。

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