「たいていの人は、職場に行くのをそれなりに楽しんでいる――同僚とのおしゃべりや、ちょっとした色気のあるやり取りなどのために。だが実際には、自分の仕事そのものは大嫌いなのだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“Most people sort of enjoy going to work because of the socialisation, a chance to flirt with co-workers and so on, but actually hate the job they do.”

日本語訳

「たいていの人は、職場に行くのをそれなりに楽しんでいる――同僚とのおしゃべりや、ちょっとした色気のあるやり取りなどのために。だが実際には、自分の仕事そのものは大嫌いなのだ」

解説

この名言は、現代人の職業生活の二重性――仕事そのものと職場環境のあいだのギャップを、P・J・オロークらしいシニカルな眼差しで捉えている。前半では、「socialisation(社交)」や「flirt(軽い色気のある交流)」といった、職場における人間関係の楽しさが挙げられており、これは仕事外の「副産物」の魅力を示している。

しかし後半では、「actually hate the job they do(実際の仕事は嫌い)」という直截な表現によって、業務内容そのものにはやりがいや満足感が欠けているという現実が突きつけられる。この落差は、多くの人が仕事を「生活のための義務」として捉えており、本当の意味での自己実現とは結びついていないという社会的通念を浮き彫りにしている。

この名言の核心は、「仕事の意味とは何か」「なぜ人は働くのか」という根源的な問いにある。生計を立てる手段でありながら、仕事はしばしば感情の消耗や自尊心の摩耗を伴う。それでも人は、職場の人間関係やちょっとした楽しみに救いを求めて通い続ける。この言葉は、現代労働社会の虚無と人間らしさが入り混じるリアルな心情を、軽妙な口調で突いた一言である。

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