「人間の幸福や平和、繁栄といった小さな島々は、いまの歴史の中ではあまりに例外的すぎて、そこから教訓を引き出せるかどうかさえ分からない」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“Little islands of human happiness, peace, and prosperity are so exceptional at this point in history that I’m not even sure we can draw lessons from them.”

日本語訳

「人間の幸福や平和、繁栄といった小さな島々は、いまの歴史の中ではあまりに例外的すぎて、そこから教訓を引き出せるかどうかさえ分からない」

解説

この言葉は、現代社会において真の幸福や平和がいかに希少で、異常な存在になってしまったかを嘆くように示している。P・J・オロークは、そうした幸福の「島々」を例外と見なし、それらがあまりに限られているために、普遍的な教訓やモデルとして使うことすら困難であると語る。

ここには、混乱・対立・貧困が支配的となっている現代のグローバルな情勢への皮肉が込められている。幸福で豊かな社会の存在は理想とされるが、それがあまりにも「特例」になってしまっている現実を強調しており、理想を追い求めることすら虚しく感じさせるような悲観も滲む。

この発言はまた、政策や思想が「成功例」から何かを学ぼうとする態度への批判とも読み取れる。もしその成功が極めて特殊な条件下でのみ成立しているならば、それを模倣しようとする試みは現実性を欠いてしまう。オロークは、理想よりも現実の複雑さを直視する冷徹な態度を、皮肉とともに読者に促しているのである。

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