「ひょっとすると、ひどい独裁者たちはみな、挫折した芸術家なのかもしれない――毛沢東は詩、ムッソリーニは記念碑。スターリンはかつて三流の新聞記者で、彼らがどれほど欲求不満かは身をもって知っている。ポル・ポトは非常に尖った写真コレクションを残し、オサマ・ビンラディンは映像にかなり関心があったようだ。」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“It could be that all awful dictators are frustrated artists — Mao with his poetry and Mussolini with his monuments. Stalin was once a journalistic hack, and I can personally testify to how frustrated they are. Pol Pot left a very edgy photo collection behind. And Osama seems quite interested in video.”

日本語訳

「ひょっとすると、ひどい独裁者たちはみな、挫折した芸術家なのかもしれない――毛沢東は詩、ムッソリーニは記念碑。スターリンはかつて三流の新聞記者で、彼らがどれほど欲求不満かは身をもって知っている。ポル・ポトは非常に尖った写真コレクションを残し、オサマ・ビンラディンは映像にかなり関心があったようだ。」

解説

この名言は、残虐な独裁者たちの内面に潜む芸術的欲求や虚栄心を皮肉交じりに分析している。毛沢東の詩、ムッソリーニの建築趣味、ポル・ポトの写真、ビンラディンのビデオ制作へのこだわりなど、芸術への未練や自己表現欲求が歪んだ形で発露されたと読み取れる。

筆者はそこに「挫折した芸術家=抑圧された表現衝動が政治的暴力へと転化する可能性」を示唆している。スターリンに至っては「ジャーナリズム崩れ」と蔑みつつ、自身の経験と照らして共感すらにじませている。このユーモアはブラックでありながらも、権力者の自己演出欲とプロパガンダの芸術的側面を的確に突いている。

現代にも通じるのは、「政治は最高のパフォーミング・アートである」という観点である。大衆に訴える力、象徴を操る技術、映像や言葉の演出――これらは政治と芸術の交差点に位置しており、独裁者の「舞台」への執着が悲劇を生むという逆説を浮かび上がらせている。

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