「ソ連では、産業が一つとして潰れることはなかった。すべてが一斉に潰れるまでは」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”In the Soviet Union, no industry went under until they all did.”

日本語訳

「ソ連では、産業が一つとして潰れることはなかった。すべてが一斉に潰れるまでは」

解説

この名言は、ソ連型経済の硬直性と崩壊の不可避性を端的に表現している。オロークは、資本主義社会では企業や産業が競争の中で個別に倒産するが、ソ連では国家が全産業を管理していたために、不採算産業すら存続し続けたことを皮肉っている。結果として、部分的な失敗ではなく、最終的に国家全体の産業が一斉に崩壊するという結末を迎えたのである。

背景には、ソ連の計画経済とその欠陥がある。市場競争が存在しないため非効率が積み重なり、改善のインセンティブも働かず、1980年代末のペレストロイカ期には経済全体が破綻状態に陥った。オロークはその過程をユーモラスに要約し、計画経済の限界を浮き彫りにしている。

現代に応用すると、この言葉は経済システムにおける健全な競争と淘汰の重要性を教えている。資本主義にも問題はあるが、失敗が個別に現れ修正される仕組みがある。一方、全体主義的管理では失敗が覆い隠され、最終的には全体が崩壊するリスクを抱える。オロークの皮肉は、自由市場の欠陥と同時に、その修復力の価値を再認識させるものである。

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