「たいていのビジネスマンに話を聞けば、自分の仕事は公益のためだと言うだろう。でも実際は、彼らはただの強欲だし、消費者もまた、自分の欲のために消費しているだけなんだ。」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
“If you talk to most businessmen, they’ll say that what they do is for the public good, but you know they’re just greedy, and consumers are just consuming for the sake of their own greed.”
日本語訳
「たいていのビジネスマンに話を聞けば、自分の仕事は公益のためだと言うだろう。でも実際は、彼らはただの強欲だし、消費者もまた、自分の欲のために消費しているだけなんだ。」
解説
この言葉は、経済活動における建前と本音のギャップを鋭く突いた皮肉である。ビジネスマンはしばしば「雇用創出」「利便性の提供」「社会貢献」などを名目に掲げるが、実際には利益追求という私的な動機が行動原理であることが多い。そしてそれは、消費者も同様で、単に「自分の欲望を満たすため」に物を買っているにすぎない。
このような見方は、アダム・スミスの『国富論』にある「利己心が公益を導く」という理論を反転させて、「公益というのはあくまで副産物にすぎない」とする厳しい現実認識に基づいている。つまり、誰もが公益を語りながら、実際には利己的にしか動いていないというわけだ。
現代の資本主義社会においても、企業のCSR(企業の社会的責任)やESG投資が称揚される一方で、その実態はブランド価値の向上や利益誘導であることも多く、この名言の視点は依然として的を射ている。皮肉でありながらも、人間の本質に対する鋭い観察が光る一言である。
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