「行ったことのない場所で72時間を過ごし、言葉の通じない人々と、理解していない社会・政治・経済の複雑さについて語り合い、それで世界一の物知りとして帰ってくるなら、それは記者だ。あるいはオバマ大統領だ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”If you spend 72 hours in a place you’ve never been, talking to people whose language you don’t speak about social, political, and economic complexities you don’t understand, and you come back as the world’s biggest know-it-all, you’re a reporter. Either that or you’re President Obama.”

日本語訳

「行ったことのない場所で72時間を過ごし、言葉の通じない人々と、理解していない社会・政治・経済の複雑さについて語り合い、それで世界一の物知りとして帰ってくるなら、それは記者だ。あるいはオバマ大統領だ」

解説

この名言は、ジャーナリストと政治家の「浅薄な万能感」への痛烈な皮肉である。P・J・オロークはここで、外国取材を短期間で済ませて自信満々に語る記者、そして同様の振る舞いをする政治指導者、とりわけオバマ大統領を皮肉交じりに並列している。

この発言には二重の批判が込められている。ひとつは、実地の理解もなく語りたがるジャーナリズムの傲慢さ。もうひとつは、国際問題や文化的背景への理解を欠いたまま「わかったつもり」になる政治的リーダーシップへの不信感である。特に、国際的に知的イメージの強かったオバマ大統領に対してこのような皮肉を投げかけることで、知識の印象と実質的理解の差を浮かび上がらせている。

この名言は、現代の情報過多社会において、わずかな知識で大きな意見を語ることの危うさを警告するものでもある。短期間の観察や断片的な情報に基づいた断定的な意見は、本質的な理解や共感を欠いたものとなりやすい。オロークは、そのような言説が無自覚なまま影響力を持ってしまう社会への風刺としてこの言葉を放っているのである。

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