「死がダーウィン的過程を『完了』させる役割を果たしていなければ、私たちは今でもアメーバのままだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”If death weren’t around to ‘finalize’ the Darwinian process, we’d all still be amoebas.”

日本語訳

「死がダーウィン的過程を『完了』させる役割を果たしていなければ、私たちは今でもアメーバのままだ」

解説

この名言は、P・J・オロークによる進化論と死の関係を皮肉と科学的洞察で結びつけた一言である。彼はここで、死を単なる悲劇や終焉ではなく、「進化を完結させる装置」として再定義している。これは、自然淘汰における「淘汰」の役割を担うものとしての死の機能を、見事に言い表している。

ダーウィン的進化とは、より適応した個体が生き残り、次世代にその性質を伝える過程である。その過程において「死」がなければ、不適応な形質がいつまでも残り続け、生物の発展は停滞する。オロークはこの自然の摂理を、「アメーバのままだっただろう」という極端な喩えを使って、笑いを交えつつ鋭く突いている。

この言葉は、死に対する恐れや否定を乗り越えた視点を提示しているとも言える。死は進化、すなわち変化と前進のために不可欠な要素であるという観点から、人間の生の有限性が持つ意味や、社会における更新の必要性までも示唆している。オロークはユーモアを武器に、タブー視されがちな死を進化と哲学の文脈で語ることで、現代人の価値観に挑んでいるのである。

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