「ベビーブーム世代には、何にでも首を突っ込みたがる傾向があると思う。グレイテスト・ジェネレーションには、他人には干渉しないという良い傾向があった。もっとも、誰のことも嫌っていたという傾向もあったが」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
“I think the Baby Boom does have a tendency to get its nose in everything. The Greatest Generation had a better tendency to leave people alone. Of course, they also had a better tendency to hate everybody’s guts.”
日本語訳
「ベビーブーム世代には、何にでも首を突っ込みたがる傾向があると思う。グレイテスト・ジェネレーションには、他人には干渉しないという良い傾向があった。もっとも、誰のことも嫌っていたという傾向もあったが」
解説
この名言は、アメリカの世代間文化をユーモアと皮肉で対比するP・J・オロークらしい言語感覚が表れている。「Baby Boom」とは第二次世界大戦後の出生率の急増に伴う世代(主に1946~1964年生まれ)を指し、「The Greatest Generation」は戦争に従軍したり戦中を支えたりしたその親世代(主に1900~1927年頃生まれ)を指す。
ベビーブーマーに対しては、過干渉で自意識が強く、社会のあらゆる領域に影響を及ぼそうとする性向を批判している。一方、グレイテスト・ジェネレーションは個人主義的で他者の自由を尊重する面があったが、その裏には冷淡さや不寛容もあったと、両者を揶揄的に描き分けている。
この言葉は、一方的な世代礼賛でも攻撃でもなく、時代背景と人間性の矛盾を鋭く捉えた風刺である。現代でも「若者は過干渉」「高齢者は排他的」といった固定観念がある中で、この名言はそれらを笑いを通じて相対化し、世代というラベルの背後にある人間の複雑さを浮かび上がらせている。鋭さと諧謔が同居する一言である。
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