「60年代初頭に目を開いていた高校生なら誰でも、公民権運動をめぐる進展の遅さと暴力にひどく失望していたと思う」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”I think every high school student who was alert during the early ’60s got very embittered by the slow progress and the violence surrounding the Civil Rights Movement.”

日本語訳

「60年代初頭に目を開いていた高校生なら誰でも、公民権運動をめぐる進展の遅さと暴力にひどく失望していたと思う」

解説

この名言は、1960年代初頭のアメリカにおける公民権運動を巡る失望感と怒りを、P・J・オローク自身の世代的視点から語ったものである。当時の公民権運動は、黒人市民の平等な権利を求める重大な社会変革であったが、その進展は遅く、しかも差別主義者たちの暴力、政府の消極性、制度的な抵抗に満ちていた。

オロークは、「alert(目を開いていた)」という言葉を使うことで、単に学生であるという事実だけでなく、社会の現実に対して感受性と意識を持っていた者たちに限定している。彼らにとって、アメリカが掲げる「自由と平等」の理念と、実際の差別と暴力のギャップは、深い幻滅や憤りの源となった。

この言葉には、世代的な証言としての重みがあると同時に、現代の若者にも共鳴し得る要素がある。たとえば現代の人権運動や社会正義の課題においても、「進歩が遅すぎる」「構造的な抵抗が強すぎる」と感じる若者たちの苦悩がある。オロークのこの発言は、理想と現実のギャップに直面する若者の普遍的な感情を代弁する歴史的証言として、静かな力を持っている。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「P・J・オローク」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る