「私は日々、言葉というぬかるみにひざまずき、べとつく動詞や名詞、修飾語を手探りでかき集め、それらを押しつぶして、理性と意味にかすかに似た文のかたまりを作ろうとしている」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
“I spend my days kneeling in the muck of language, feeling around for gooey verbs, nouns, and modifiers that I can squash together to make a blob of a sentence that bears some likeness to reason and sense.”
日本語訳
「私は日々、言葉というぬかるみにひざまずき、べとつく動詞や名詞、修飾語を手探りでかき集め、それらを押しつぶして、理性と意味にかすかに似た文のかたまりを作ろうとしている」
解説
この名言は、文章を書くという行為の混沌と創造の本質を、比喩とユーモアで鮮やかに描き出したものである。P・J・オロークは、作家としての自分を「言語の泥の中に膝をついて這い回る存在」と自嘲気味に語っている。ここでは、言葉の選択や文の構成が優雅で洗練された行為ではなく、むしろ原始的で手探りの作業であることが強調されている。
特に「gooey verbs, nouns, and modifiers(べとつく動詞や名詞、修飾語)」という表現は、言語が扱いやすい道具ではなく、手につくような有機的で混沌としたものであるという感覚を与える。さらに、「blob of a sentence(文のかたまり)」という語り方も、完成された構文美ではなく、生き物のような、意味ににじり寄る不定形な表現を示唆している。
この言葉は、書くことの苦悩と快感、理性と感覚のせめぎ合いを象徴している。創作という営みは、常に言葉の泥に足を取られながらも、なんとか「意味」にたどり着こうとする試みである。オロークのユーモアは、そんな営みを笑い飛ばしながらも、言葉への愛と敬意に満ちている。
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