「ボヘミアン的な生活は自分には向いていないと気づいた。飢えた芸術家のように暮らしている友人たちを見回して、『芸術はどこにある?』と思った。彼らは何もしていなかった。そして世の中には面白いことがたくさんあり、楽しめることも多かった……もしかしたら賃貸暮らしもやめられるかもしれない」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
”I realised the bohemian life was not for me. I would look around at my friends, living like starving artists, and wonder, ‘Where’s the art?’ They weren’t doing anything. And there was so much interesting stuff to do, so much fun to be had… maybe I could even quit renting.”
日本語訳
「ボヘミアン的な生活は自分には向いていないと気づいた。飢えた芸術家のように暮らしている友人たちを見回して、『芸術はどこにある?』と思った。彼らは何もしていなかった。そして世の中には面白いことがたくさんあり、楽しめることも多かった……もしかしたら賃貸暮らしもやめられるかもしれない」
解説
この言葉は、P・J・オロークが芸術至上主義的なライフスタイルへの懐疑と、現実的かつ享楽的な人生観を語ったものである。彼は「ボヘミアン的生活」に憧れる若者の理想と、実際には生産的な創造を伴わない停滞とのギャップを鋭く指摘している。つまり、芸術の名のもとに苦しい生活を送っても、肝心の創作が伴わなければ意味がないという批判である。
ここで強調されるのは、オローク特有の現実主義とユーモアである。芸術を追求する理想よりも、世の中に溢れる「楽しいこと」「面白いこと」に積極的に関わり、さらには経済的安定すら手に入れられるかもしれないと語る姿勢は、彼の軽妙で皮肉な人生観を表している。これは「苦労して芸術家を気取るより、自由に楽しむ方がよほど創造的で豊かだ」という逆説的な価値観である。
現代的に応用すれば、この名言は自己欺瞞的な理想に縛られず、実際に行動し、楽しみ、現実の可能性を掴むことの重要性を教えている。芸術や理想のために「苦しい状況」を美化するよりも、自分らしく生きることが創造性を生むというメッセージが込められているのである。
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