「人類学的に見て、ある社会が本質的に民主主義に向いていないのかどうか、私にはわからない。けれど、それが本当だとは思わない」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“I have no idea if some societies, anthropologically speaking, aren’t really suited for democracy. I don’t think that’s true.”

日本語訳

「人類学的に見て、ある社会が本質的に民主主義に向いていないのかどうか、私にはわからない。けれど、それが本当だとは思わない」

解説

この名言は、民主主義の普遍性に対する疑念と希望とのあいだで揺れる立場を、率直に言い表している。P・J・オロークは、文化的・歴史的背景によっては民主主義が根づきにくい社会もあるのではないかという議論を否定しきれない一方で、それでもなお民主主義はすべての人々に適していると信じたいという信念をにじませている。

「I don’t think that’s true(それが本当だとは思わない)」という控えめな断定は、文化相対主義と民主主義の普遍主義との緊張関係を反映しており、オロークらしい疑い深さと理想主義のバランスが現れている。彼は、民主主義を万能とは見なしていないが、それでも自由と自己決定の価値はすべての社会にとって望ましいものだとする立場に立っている。

この名言は、国際政治や民主化支援における「押し付け」と「支援」の境界を問う視点にもつながる。オロークは、民主主義の困難さを認めつつも、それが人類共通の理想でありうる可能性を捨てずに語っており、冷静な懐疑と穏やかな信念が共存する態度を表している。

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