「私はエジプトを、どちらかといえば世俗的な国だと思っていた。そして今でもそう思っているが、人々はラマダンの戒律を非常に忠実に守っている」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
”I had always thought of Egypt as a rather secular country. And I think it is, but people are quite observant of the strictures of Ramadan.”
日本語訳
「私はエジプトを、どちらかといえば世俗的な国だと思っていた。そして今でもそう思っているが、人々はラマダンの戒律を非常に忠実に守っている」
解説
この名言は、宗教と世俗の共存という文化的複雑さに対するP・J・オロークの観察と驚きを率直に表現している。彼はエジプトを「世俗的(secular)」な国だと認識していたが、実際に訪れてみると、宗教的習慣——特にラマダン(断食月)の戒律——が社会の中に深く根づいていることに気づいたという体験を語っている。
ここでのポイントは、世俗主義と信仰実践が必ずしも矛盾しないという文化理解の深化である。オロークのような西洋的な視点では、「世俗的=宗教的実践が希薄」というイメージを持ちがちだが、エジプトのような社会では、国家制度や政治が世俗的であっても、人々の生活や価値観には宗教が根強く影響している。この言葉はそのギャップに対する知的な驚きと尊重の表明である。
この名言はまた、文化を理解する際に表面だけでは不十分であること、そして宗教的慣習が持つ社会的・精神的な重みを改めて思い出させてくれる。オロークは、自身の先入観を否定するのではなく、現地で得た経験を通じてその多層性を受け入れようとしている。それは、ユーモアと知性の両方を備えた観察者としての誠実な姿勢の表れである。
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