「アメリカが第三世界の国になるのは別にかまわない。第三世界のほうが、私の住むニューハンプシャーより天気がいい。そして家事手伝いもずっと安くなる」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“I don’t mind America becoming a Third World country. The weather is better in the Third World than it is where I live in New Hampshire. And household help will be much cheaper.”

日本語訳

「アメリカが第三世界の国になるのは別にかまわない。第三世界のほうが、私の住むニューハンプシャーより天気がいい。そして家事手伝いもずっと安くなる」

解説

この名言は、国家の衰退に対するブラックユーモアと階級風刺を融合させた、P・J・オロークらしい毒の効いた皮肉である。アメリカの国力低下や経済の不安定化を「第三世界化」として語りながら、それを気候の快適さや家政婦の安さという個人的利益にすり替えて肯定するという構図が、滑稽さと不安を同時に呼び起こす。

オロークは、「第三世界(発展途上国)」という本来否定的な概念をわざと軽々しく扱うことで、アメリカ人の生活水準に対する慢心や、階級的な傲慢さを皮肉っている。特に「家事手伝いが安くなる」という一節は、経済的格差の拡大によって恩恵を受ける側の特権的視点をあえて誇張して見せることで、不平等社会の皮肉な構造を浮かび上がらせている

この言葉は、経済崩壊やグローバルな競争力の喪失といった深刻な問題を、笑いと嘲りで受け流すという知的挑発でもある。オロークは、国家的危機すらも個人的利益の観点で割り切る視点の滑稽さを突くことで、真剣な議論を促すという逆説的な効果を生んでいる。

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