「政府は、収用権や致死力のような特定の事柄について独占権を持っている」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“Governments have monopolies on certain things, like eminent domain and deadly force.”

日本語訳

「政府は、収用権や致死力のような特定の事柄について独占権を持っている」

解説

この名言は、国家という組織の本質的な力の在り方を端的に表現している。政府は単なる行政機関ではなく、法的・物理的強制力を独占的に行使できる存在であるという、政治哲学的な事実を指摘している。

収用権(eminent domain)」は、公共の利益のために私有財産を強制的に収用できる法的権限であり、これは民主国家であっても政府にだけ許された権利である。同様に「致死力(deadly force)」の使用――つまり武力の行使も、警察や軍隊といった公的機関を通じてのみ合法となる。

この見解は、リバタリアン的視点国家権力に対する懐疑の文脈でも用いられる。政府がこのような権限を持つからこそ、その行使には厳格な監視と抑制が必要だという問題意識につながる。オロークはここで、政府の持つ「合法的な暴力装置としての側面」を冷静かつ風刺的に表現しており、政治権力に対する市民の態度を考えさせる言葉となっている。

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