「政府は健康被害の元だ。これまでに政府が殺してきた人間の数は、タバコやシートベルトを締めなかったことによる死者数をはるかに上回る」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”Government is a health hazard. Governments have killed many more people than cigarettes or unbuckled seat belts ever have.”

日本語訳

「政府は健康被害の元だ。これまでに政府が殺してきた人間の数は、タバコやシートベルトを締めなかったことによる死者数をはるかに上回る」

解説

この名言は、P・J・オロークの政府批判と自由主義的立場を象徴する挑発的な一言である。彼はここで、公共の安全や健康を守るという名目で政府が行う介入(例:喫煙規制、シートベルト義務化)に対し、皮肉を込めて反撃している。つまり、「健康のため」とされる行政措置よりも、歴史上、政府そのものが人間の命にとって最大の脅威だったという逆説的な主張である。

この発言が意味する「政府による死」とは、戦争、虐殺、粛清、独裁体制による暴力など、国家権力の行使によって引き起こされた大規模な人道的悲劇を指している。特に20世紀の歴史(ナチス、スターリン体制、毛沢東政権など)を背景に見れば、国家の名のもとにどれほど多くの命が奪われてきたかは否定しがたい現実である。

オロークは、この言葉を通して、「善意の介入」と「危険な権力行使」の境界が曖昧になることへの警鐘を鳴らしている。政府の存在は必要不可欠だが、それが無制限な権限を持つとき、個人の自由や生命を脅かす最大の要因にもなり得る。この名言は、「政府の役割とは何か」という根本的な問いを、シニカルな笑いとともに投げかけてくるのである。

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