「グローバリゼーションとは、自由市場を全世界に広げることにすぎない」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“Globalization is simply opening the free marketplace to encompass the entire world.”

日本語訳

「グローバリゼーションとは、自由市場を全世界に広げることにすぎない」

解説

この名言は、グローバリゼーションという複雑で物議を醸す概念を、あえて単純な経済的定義に還元して述べたものである。P・J・オロークはここで、自由市場主義の立場からグローバル経済を肯定的に捉える姿勢を見せている。すなわち、グローバリゼーションとは文化的帝国主義や格差拡大といった懸念とは無縁の、純粋に市場の拡大に過ぎないとする見方である。

この発言には、保護主義やナショナリズムに対する批判的意識が込められている。オロークは、市場の自由を国家の枠組みよりも優先すべきだという信念を持っており、グローバリゼーションをその延長線上にあるものと位置づけている。そのため、彼にとってそれは「単純」なことであり、理論上は誰にとっても利益になるはずだという見解が含まれている。

もっとも、この単純化された定義は、グローバリゼーションに内在する不平等や文化摩擦を意図的に無視しているとも読める。それゆえこの言葉は、グローバリゼーション擁護論に対する批判や反論を誘発するような、挑発的かつ議論喚起的な表現でもある。オロークはしばしば、こうした単純化を通して現実の複雑さを浮き彫りにする技法を用いていた。

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