「フィンランドは豊かな国だ。何を持っている? ノキアの携帯電話と合板くらいだ。どうしてそんなに豊かになれた? それは自由だからだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“Finland is a rich country. What have they got? They got Nokia phones and plywood. How’d they get so rich? Because they’re free.”

日本語訳

「フィンランドは豊かな国だ。何を持っている? ノキアの携帯電話と合板くらいだ。どうしてそんなに豊かになれた? それは自由だからだ」

解説

この名言は、自由経済の価値を肯定する保守的リバタリアン的な立場から、国家の繁栄を語る一言である。P・J・オロークは、フィンランドという一見地味な資源しか持たない国がなぜ経済的に成功しているのかという問いに対し、その答えを「freedom(自由)」に帰結させている。

「Nokia phones and plywood(ノキアの携帯電話と合板)」という例は、フィンランドの主力産業をあえて過小評価するかのように挙げており、資源の豊富さや軍事力ではなく、制度的・政治的自由が豊かさの決定要因であるという価値観を浮き彫りにしている。これは、自由市場・民主主義・法の支配といった基本的価値が経済発展を可能にするという、典型的な自由主義の主張に通じる。

同時にこの言葉には、物質的な「何を持っているか」よりも、「どのように社会を構築しているか」が重要だという思想が込められている。冷戦後の文脈や、福祉国家としても知られるフィンランドを例に取りながら、オロークは自由こそが富を生む根源的な条件であるという信念を、ユーモアと明快さをもって提示している

この名言は、国家の価値を経済的指標ではなく制度的成熟度で測るべきだという知的なメッセージを、軽やかな語り口で表現した一言である。

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