「ファシズムとはまさに群衆の運動である」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”Fascism is very much a mob movement.”

日本語訳

「ファシズムとはまさに群衆の運動である」

解説

この名言は、ファシズムの本質を群衆心理との関係で説明している。オロークは、ファシズムを単なる政治体制や指導者の独裁とみなすのではなく、群衆が集団として動員されることによって成立する運動と捉えている。つまり、権力者だけでなく、大衆の欲求や不満が一体化し、暴走することでファシズムは力を得るという視点である。

歴史的背景として、20世紀前半のイタリアやドイツにおけるファシズムは、経済不安、社会不満、ナショナリズムを背景に群衆の熱狂的支持を得て台頭した。大衆の参加がなければ、指導者の独裁は成立しえなかった。オロークの指摘は、ファシズムが「上からの支配」だけでなく、「下からの動員」でもあるという事実を強調している。

現代に応用すると、この言葉はポピュリズムや群衆運動の危険性を警告している。SNSの発達によって群衆心理はさらに増幅され、扇動や情報操作によって政治的極端主義が広がるリスクがある。オロークの言葉は、ファシズムを過去の出来事として片付けるのではなく、群衆の力がいかに政治を変え得るかを常に警戒すべきだという示唆を与えているのである。

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