「ベルリンの壁の崩壊? そこにいるのは楽しかった。ソ連から分離した東南ヨーロッパ、中央アジア、コーカサスの国々? そこにいるのはあまり楽しくなかった」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”Fall of the Berlin wall? Being there was fun. Nations that flaked off of the Soviet Union in southeastern Europe, Central Asia, and the Caucasus? Being there was not so fun.”

日本語訳

「ベルリンの壁の崩壊? そこにいるのは楽しかった。ソ連から分離した東南ヨーロッパ、中央アジア、コーカサスの国々? そこにいるのはあまり楽しくなかった」

解説

この名言は、歴史的事件の現場体験の落差を皮肉を込めて語っている。オロークは、ベルリンの壁崩壊という自由と民主化の象徴的瞬間を「楽しい」と表現し、明るい歴史の転換点として描いている。一方、ソ連崩壊後に独立した諸国の現場は、混乱や不安定さ、民族対立などが渦巻いており、「楽しくなかった」と対比的に語ることで、民主化の裏側にある複雑な現実を浮き彫りにしている。

背景には、1989年の東欧革命と冷戦終結、そして1991年のソ連崩壊がある。ベルリンの壁崩壊は祝祭的な出来事として世界中に報じられたが、旧ソ連圏の新興国家は経済的困難や武力紛争に直面し、現地は混乱と暴力に覆われた。オロークは実際に取材を通じてそれを体験し、その落差をユーモラスに伝えているのである。

現代に応用すると、この言葉は歴史の「明」と「暗」を同時に見つめる必要性を教えている。大きな政治変革は一方では解放や希望をもたらすが、他方では不安定さや対立を引き起こす。オロークの皮肉は、歴史的事件を一面的に「成功」と評価するのではなく、その裏に潜む混乱や痛みも理解すべきだという視点を示しているのである。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「P・J・オローク」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る