「ポジティブ・ライツ(積極的権利)の爆発的な増加は、1932年のルーズベルトの当選から始まった」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“Explosion of positive rights started in 1932 with the election of Roosevelt.”

日本語訳

「ポジティブ・ライツ(積極的権利)の爆発的な増加は、1932年のルーズベルトの当選から始まった」

解説

この名言は、アメリカにおける「ポジティブ・ライツ」(政府が提供・保証すべきとされる権利)の拡大が、1932年のフランクリン・D・ルーズベルトの当選によって本格化したというP・J・オロークの歴史観を端的に示している。

「ポジティブ・ライツ」は、教育、医療、仕事、住宅といった国家が提供すべき社会的・経済的な権利を指す概念であり、対照的に「ネガティブ・ライツ」は、自由・言論・所有権など、国家からの干渉を排除する権利を意味する。オロークは、1932年のニューディール政策以降、アメリカ政府が「人々に何を与えるか」に強く関与し始めたことを、ある種の「転換点」として批判的に捉えている。

この発言には、政府の役割拡大への懐疑と、個人の自由を重視するリバタリアン的視点が込められている。オロークは、「爆発的な増加(explosion)」という語を用いることで、福祉国家化の急速な進展が、もともとのアメリカの自由主義的伝統を逸脱していったという危機感を強調している。

この名言は、20世紀アメリカの政治思想史をめぐる根本的な議論――国家は「何をしないべきか」か、「何をすべきか」――の対立軸を明確に示すものであり、現代の福祉政策や政府支出に対する批判的視座としても生き続けている。

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