「誰もが多かれ少なかれ外国人嫌いである」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”Everybody is xenophobic to an extent.”

日本語訳

「誰もが多かれ少なかれ外国人嫌いである」

解説

この名言は、P・J・オロークによる人間の根源的な心理への現実的かつ挑発的な観察である。「xenophobic(外国人嫌い)」という強い語を用いつつも、「to an extent(ある程度)」という表現を添えることで、極端な差別感情ではなく、文化的・無意識的な違和感の存在を指摘しているのが特徴である。

オロークはここで、自分と異なるものへの警戒心や不安感は人間の本能的な反応であり、それ自体を完全に否定するのは偽善であると主張しているように読める。つまり、他文化への拒否感が自動的に「悪」ではなく、むしろそれをどう意識し、克服するかが重要なのだという姿勢である。

この発言は、多文化主義やグローバリズムが進む現代社会において、個人が抱える無意識の偏見や距離感について考えさせる力を持つ。オロークは、偏見を否定するだけではなく、自分の中にある偏見を認めたうえで、それを笑い飛ばし、乗り越える姿勢を持つべきだという、誠実かつアイロニカルな倫理観を提示しているのである。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「P・J・オローク」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る