「戦争を終わらせるのはとても簡単だ――降伏すればいい」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“Ending wars is very simple if you surrender.”

日本語訳

「戦争を終わらせるのはとても簡単だ――降伏すればいい」

解説

この名言は、戦争終結の複雑さと、その「単純化」への皮肉を交えて語った逆説的なユーモアである。P・J・オロークはここで、平和や戦争終結を語る際にありがちな理想論に対し、「降伏」という極端で現実的な解決法をあえて提示することで、その裏にある本質的な選択の重さを浮かび上がらせている。

「降伏すれば戦争は終わる」というのは事実としては正しいが、それがどれほど屈辱的で破滅的な代償を伴うかは言うまでもない。だからこそこの一言は、単に平和を望むだけでは済まない現実の厳しさを皮肉っており、「終わらせ方」そのものに倫理的・政治的判断が求められるという冷徹な視点を突きつけている。

この名言は、「平和のために何を犠牲にするのか?」という問いを投げかける鋭い風刺でもある。オロークは、耳障りの良い平和主義的スローガンの裏側に潜む安易さや現実逃避をあぶり出し、国家の決断とは何かを考えさせる。つまりこの言葉は、戦争の悲惨さを笑いに転じながらも、戦争と平和のあいだの選択が決して単純ではないことを示す、知的な逆説なのである。

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