「大学教授はかつては安月給だった——それに見合っていた。大学もかつては質素な機関だった——再び質素であるべきだ」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
”College professors used to be badly paid and worth it. Colleges used to be modest institutions; they should go back to being modest institutions.”
日本語訳
「大学教授はかつては安月給だった——それに見合っていた。大学もかつては質素な機関だった——再び質素であるべきだ」
解説
この名言は、高等教育の変質と権威の肥大化に対する痛烈な批判である。P・J・オロークは、大学や大学教授がかつては控えめで、過剰な地位や報酬を伴わずとも、それなりの価値しかなかったと皮肉を込めて述べている。そして、現代の大学が巨大な予算と影響力を持つ存在へと変貌したことに対して、謙虚さを取り戻せというメッセージを投げかけている。
とくにアメリカの大学では、授業料の高騰、管理部門の膨張、教授の特権化といった現象が問題視されており、かつての学術中心・教育本位の理念が失われつつある。この名言は、そうした変化に対して「初心に帰れ」と促すものである。「質素であるべきだ(they should go back to being modest)」という語尾には、ノスタルジーと警鐘の両方が込められている。
また、オローク特有のアイロニーも忘れてはならない。「安月給でそれに見合っていた」という表現は、教授たちが当時も特別に優れていたわけではないという軽妙な批判を含んでおり、学問の権威性や自己重要感への揶揄にもなっている。つまりこの名言は、教育機関が社会的にも経済的にも肥大化しすぎた現状を、冷笑とともに再評価せよというメッセージを含んでいるのである。
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