「中国は民主主義なしでアメリカになろうとしており、アメリカはチーズのカロリーなしでフランスになろうとしている」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”China is trying to become America without democracy while America is trying to become France without cheese calories.”

日本語訳

「中国は民主主義なしでアメリカになろうとしており、アメリカはチーズのカロリーなしでフランスになろうとしている」

解説

この名言は、国の方向性と自己矛盾を風刺する、P・J・オロークらしい巧妙な文明批評である。オロークは、中国とアメリカという2大国の近代的目標と、それに伴う皮肉な不一致を、文化的比喩と政治的観察を交えて鋭く描き出している。

前半の「China is trying to become America without democracy(中国は民主主義なしでアメリカになろうとしている)」は、経済的自由や消費社会といったアメリカ型の繁栄を求めながらも、政治的には権威主義を維持する中国の姿勢を的確に言い表している。これは、自由市場と民主制度の矛盾的切り離しに対する批判的視点である。

一方後半の「America is trying to become France without cheese calories(アメリカはチーズのカロリーなしでフランスになろうとしている)」は、アメリカがフランス的な洗練や文化的豊かさを追い求めながら、実際には表層的・健康志向的な模倣にとどまっているという、自己欺瞞的な行動への皮肉である。「チーズのカロリーなしでフランスになる」という不可能な願望は、本質を理解せずに形だけ真似ようとする愚かさを象徴している。

この名言は、現代の国際政治における模倣と矛盾、そして文化と価値観の不一致がもたらす滑稽さを見事に要約しており、世界を俯瞰するユーモアと冷静さを兼ね備えた文明風刺の好例である。

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