「紙袋もビニール袋も禁止して、買い物客に犬のように食料を口にくわえて帰らせる――それこそ、オバマ政権のウエストウィングにいるちっぽけな人道主義者が、まるでウズベク海軍の提督にでもなったかのような気分になるための最適な手段だ」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
”Banning paper and plastic and making shoppers carry their groceries home in their mouths like dogs is just the thing to make a little tin humanist in the Obama West Wing think he’s admiral of the Uzbek Navy.”
日本語訳
「紙袋もビニール袋も禁止して、買い物客に犬のように食料を口にくわえて帰らせる――それこそ、オバマ政権のウエストウィングにいるちっぽけな人道主義者が、まるでウズベク海軍の提督にでもなったかのような気分になるための最適な手段だ」
解説
この名言は、政府による過剰な規制や自己満足的な政策がいかに滑稽であるかを皮肉った、P・J・オローク特有の風刺表現である。「紙とビニールの袋の禁止」は環境保護を目的とした政策として実際に議論されていたが、オロークはそれを極端化し、「犬のように口で持ち帰る」という比喩に変換することで、現実離れした強制感と人間の尊厳の失墜を笑いにしている。
また、「little tin humanist(ちっぽけなブリキの人道主義者)」という表現には、本物の権威も力量もないのに、倫理や理想を掲げて権力を振るおうとする官僚的な人物への痛烈な批判が込められている。さらに「Uzbek Navy(ウズベク海軍)」という例えは、存在感が乏しい国家機構を持ち出すことで、滑稽さと自己過大評価を強調している。
この言葉は、善意に基づく政策が時として権力の自己陶酔や市民への押し付けになり得ることへの警鐘であり、同時に政治的理想と現実のギャップを見抜く冷笑的視点でもある。オロークの風刺は単なる嘲笑ではなく、自由と個人の自立に価値を置くリバタリアン的な立場からの真剣な問いかけでもある。
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