「ワシントンに15年間住んでいた元住民として、政治的主張を掲げてナショナル・モールに集まるのはやめてほしいと思うんだ。こっちはフラッグフットボールをしたり、フリスビーを投げたり、犬を散歩させたりしたいんだよ――つまりね、ナショナル・モールは本来そういう目的の場所だと、僕は個人的に思ってるんだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“As a longtime former resident of 15 years in Washington, I wish that everybody would stay off the Mall with their political cause so that we can get out there, you know, and play flag football or Frisbee, or walk the dog or something – you know, which is, you know, what the National Mall should be for, in my personal opinion.”

日本語訳

「ワシントンに15年間住んでいた元住民として、政治的主張を掲げてナショナル・モールに集まるのはやめてほしいと思うんだ。こっちはフラッグフットボールをしたり、フリスビーを投げたり、犬を散歩させたりしたいんだよ――つまりね、ナショナル・モールは本来そういう目的の場所だと、僕は個人的に思ってるんだ」

解説

この名言は、アメリカ民主主義の象徴的空間である「ナショナル・モール(National Mall)」に対する私的なユーモアと風刺が入り混じった視点を提供している。ワシントンD.C.のモールは、歴史的には公民権運動や反戦デモなど、数多くの政治的集会の舞台となってきたが、オロークはそれを「みんなで遊んだり散歩したりする公共空間として使いたい」という一市民の声として描いている

「you know」が何度も繰り返される語り口調は、軽さと曖昧さ、そしてちょっとした諧謔を含んでおり、政治に疲れた市民感情公共空間の過剰な政治化へのうんざり感を象徴している。「in my personal opinion」という結びも、あえて自己の主張に絶対性を持たせず、あくまで軽口としての風刺にとどめているのがオロークらしい。

この名言の本質は、「自由な空間」を政治的な集会で埋め尽くしてしまうことの皮肉と、公共の場における自由の多義性(遊びも表現もどちらも「自由」)の衝突にある。政治的熱狂の対極にある日常と娯楽の自由こそ、本来守るべきアメリカ的価値ではないかという問いを、肩の力を抜いた口調で突きつけている一言である。

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