「いずれにせよ、アルコールを含めいかなる薬物も社会の根本的な病の原因ではない。我々の問題の源を探すのであれば、人々を薬物検査するのではなく、愚かさ、無知、強欲、そして権力欲を検査すべきである」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
”Anyway, no drug, not even alcohol, causes the fundamental ills of society. If we’re looking for the source of our troubles, we shouldn’t test people for drugs, we should test them for stupidity, ignorance, greed and love of power.”
日本語訳
「いずれにせよ、アルコールを含めいかなる薬物も社会の根本的な病の原因ではない。我々の問題の源を探すのであれば、人々を薬物検査するのではなく、愚かさ、無知、強欲、そして権力欲を検査すべきである」
解説
この名言は、社会問題の本質を薬物から人間性へと転換して考える視点を示している。オロークは、薬物やアルコールが社会に悪影響を与えるのは確かだが、社会を根底から蝕んでいるのはそれではなく、人間の愚かさや欲望だと指摘する。つまり、問題の責任を外部の物質に押し付けるのではなく、内在する人間性の欠陥を直視すべきだという風刺である。
背景には、1980年代から90年代にかけてのアメリカの「麻薬戦争」政策がある。薬物使用者への厳しい取り締まりや検査は行われたが、貧困や犯罪、不平等といった社会問題は解決されなかった。オロークはその矛盾を突き、真の原因は薬物ではなく人間の本性にあると皮肉っているのである。
現代に応用すると、この言葉は社会改革や政策の焦点をどこに置くべきかを考えさせる。薬物規制や技術的対策だけでは不十分で、教育の欠如や権力乱用といった根本的な要因に目を向けなければならない。オロークの皮肉は、社会の問題解決には外的要因を責めるだけでなく、人間自身の内面と行動を問い直す必要があることを示しているのである。
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