「20世紀の出来事の後、神は当然のごとくヨーロッパを去った。しかし、神はいまだアメリカ合衆国にはとどまっている」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”After the events of the 20th century, God, quite reasonably, left Europe. But He’s still here in the United States.”

日本語訳

「20世紀の出来事の後、神は当然のごとくヨーロッパを去った。しかし、神はいまだアメリカ合衆国にはとどまっている」

解説

この名言は、宗教と歴史、そしてアメリカ文化の特質を風刺的に表している。オロークは、20世紀のヨーロッパが二度の世界大戦、ホロコースト、全体主義などの惨禍を経験した結果、宗教的信仰が大きく衰退したことを指摘している。一方、アメリカでは建国以来の宗教的価値観が政治や社会に深く根付いており、依然として信仰が公共生活に大きな影響を与えている。

背景には、ヨーロッパの世俗化とアメリカの宗教性の対比がある。戦後ヨーロッパは急速に世俗化が進み、宗教が政治や社会から距離を置く傾向を強めた。それに対してアメリカは、福音派をはじめとする宗教勢力が政治や文化の中心で影響力を持ち続けた。オロークはその違いを「神が去った」「神が残っている」という比喩で端的に表現している。

現代に応用すると、この言葉は宗教の社会的役割とその地域差を考える手がかりとなる。ヨーロッパにおける宗教の衰退は世俗主義の進展を示し、アメリカにおける宗教の存在感は社会的結束や分断の双方を生み出している。オロークの皮肉は、歴史と文化の違いが宗教観にどう影響するかを示すと同時に、信仰と社会の関係を再考する視点を提供しているのである。

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