「ある人間が十戒すべてを破ったと非難すれば、それは彼の暴露本のカバー帯に載る宣伝文句の完成だ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”Accuse a person of breaking all Ten Commandments, and you’ve written the promo blurb for the dust cover of his tell-all memoir.”

日本語訳

「ある人間が十戒すべてを破ったと非難すれば、それは彼の暴露本のカバー帯に載る宣伝文句の完成だ」

解説

この名言は、道徳的堕落と商業的成功の皮肉な関係を風刺的に描いている。P・J・オロークはここで、十戒(盗むな、殺すな、姦淫するな等)という古典的な道徳律に背くことすら、現代では売り文句になるという逆説を突いている。

「tell-all memoir(何もかも暴露する回顧録)」は、スキャンダルや犯罪歴を赤裸々に語ることで読者の興味を引くジャンルであり、現代メディアのセンセーショナリズムを象徴している。オロークは、「十戒をすべて破った」と非難する行為が、かえってその人物にとって「商品価値」を高める結果になるという、道徳とメディアのねじれた関係を痛烈に皮肉っている。

この名言は、現代社会における倫理観の逆転とスキャンダル消費文化を警告するものでもある。かつては恥とされた行為が、今や話題性や注目を集める手段に変わり、悪徳が自己ブランディングの一部となる時代が到来している。オロークのこの一言は、笑いとともに、社会の価値基準がいかに揺らいでいるかを映し出す鋭い警句である。

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