「米ドルとは連邦準備銀行が発行する借用証書である。実際には何も約束していない約束手形なのだ。それは金や銀によって裏付けられていない」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
”A U.S. dollar is an IOU from the Federal Reserve Bank. It’s a promissory note that doesn’t actually promise anything. It’s not backed by gold or silver.”
日本語訳
「米ドルとは連邦準備銀行が発行する借用証書である。実際には何も約束していない約束手形なのだ。それは金や銀によって裏付けられていない」
解説
この名言は、現代の貨幣制度、とくにアメリカの法定通貨であるドルの本質に対する鋭い批判と皮肉を込めている。オロークは、米ドルがかつてのように金本位制に基づく交換価値を持たない「不換紙幣」であるという事実を指摘し、それを「何の価値も実質的裏付けもない約束手形」と形容している。
1971年にニクソン政権が金本位制を正式に廃止して以降、米ドルは政府や中央銀行への「信用」のみによって価値を維持する制度となった。つまり、紙幣そのものは物理的価値を持たず、「アメリカ政府が価値を保証するから人々が信じて使っている」にすぎない。この点でオロークは、「連邦準備銀行のIOU(借用書)」という表現を使い、ドルの空虚さや信頼の危うさを皮肉っている。
この言葉は、貨幣の抽象性、国家の信用に依存する経済の脆弱性、そして金融政策の不透明さに対する懐疑を喚起する。現代のインフレや通貨不安の文脈において、この視点はますます現実味を帯びてくる。オロークの風刺は、日常的に使っている通貨がいかに「見せかけ」で成立しているかを、ユーモアを交えて突きつける言葉である。
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