「1セント硬貨では、1セントの絵葉書も、1セントの笛も、1セントの飴すら買えない。アメリカ造幣局が管理していても、その1セント硬貨そのものさえ作れないのだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“A penny will not buy a penny postcard or a penny whistle or a single piece of penny candy. It will not even, if you’re managing the U.S. Mint, buy a penny.”

日本語訳

「1セント硬貨では、1セントの絵葉書も、1セントの笛も、1セントの飴すら買えない。アメリカ造幣局が管理していても、その1セント硬貨そのものさえ作れないのだ」

解説

この名言は、インフレーションと貨幣制度の皮肉な現実を、軽妙な語り口で鋭く突いている。かつて「penny postcard(1セント絵葉書)」や「penny candy(1セントの駄菓子)」といった言葉が日常語として使われていた時代があったが、現代では1セント硬貨の購買力が完全に失われている。つまりこの言葉は、貨幣の名目と実際の価値との乖離を風刺している。

特に強烈なのは最後の一文である。「造幣局でさえ1セント硬貨を1セントで作れない」というのは事実であり、1枚のペニーを鋳造するコストがその額面を上回っているという現実を示している。これは通貨制度の非合理性、経済運営の矛盾を象徴する現象であり、P・J・オロークはそれをユーモアをもって社会批評の材料にしている

この名言は、貨幣を中心とした「見かけと実態」「価値と価格」の乖離を通じて、現代経済への不信や懐疑を誘う。一見日常的な話題でありながら、通貨制度、政府支出、インフレ、経済政策の本質にまで鋭く切り込む、軽やかにして痛烈な社会風刺の好例である。

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