「かつての新聞コラムの多くは、畳みかけるようなテンポの速い文体で書かれていて、たいてい面白かった。新聞の陰鬱で灰色のような部分の中で、ちょっとした息抜きになっていた。そして、こうしたスタイルの名手の一人がウィル・ロジャースだった」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“A lot of newspaper columns used to be written in a rat-a-tat-tat, fast-paced style – and they tended to be funny. They were a little relief from the grimmer, grayer parts of the newspaper, and one of the best people at doing this was Will Rogers.”

日本語訳

「かつての新聞コラムの多くは、畳みかけるようなテンポの速い文体で書かれていて、たいてい面白かった。新聞の陰鬱で灰色のような部分の中で、ちょっとした息抜きになっていた。そして、こうしたスタイルの名手の一人がウィル・ロジャースだった」

解説

この言葉では、かつての新聞文化の一側面と、その中で際立ったスタイルの価値が語られている。P・J・オロークは、新聞のユーモアコラムが情報と娯楽のバランスをとる上で重要だったことを指摘しており、その筆致は「rat-a-tat-tat」という擬音語を用いて、まるで機関銃のように歯切れよく畳みかける文体を想起させる。これは、現代の冗長で空虚になりがちなコラムへの批判とも受け取れる。

「grimmer, grayer parts of the newspaper」という表現が示すように、報道の多くが重苦しく深刻なものである中、そうしたユーモアのある文章は読者にとっての清涼剤のような役割を果たしていた。つまり、笑いは情報と同じくらい新聞にとって必要な要素だったという価値観が込められている。

そして、その代表例として挙げられているウィル・ロジャースは、1920~30年代に活躍した風刺コラムニストであり、政治や社会を笑いの対象としながらも読者との距離を縮める巧みな語り口で知られた人物である。オローク自身も、同じく風刺的文体で現代社会を読み解く書き手であるがゆえに、ロジャースに共感と敬意を抱いていることが窺える

この名言は、メディアにおけるユーモアとテンポのある文体の重要性を説き、真面目一辺倒ではない知的な言論空間の必要性を示唆している。現代のジャーナリズムにも通じる、表現の鮮やかさと内容の豊かさの両立という教訓が含まれている。

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