「七つの大罪の追加リストは、とうに必要とされている。人生は、6世紀にグレゴリウス1世教皇が最初のリストを書き留めて以来、大きく変わったのだから」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“A deadly sins addendum is long overdue. Life has changed since Pope Gregory the Great scribbled his initial list in the sixth century.”

日本語訳

「七つの大罪の追加リストは、とうに必要とされている。人生は、6世紀にグレゴリウス1世教皇が最初のリストを書き留めて以来、大きく変わったのだから」

解説

この名言は、伝統的な道徳観と現代社会とのズレに対するユーモアと風刺が込められた一言である。七つの大罪(傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、貪欲、暴食、色欲)は、6世紀にローマ教皇グレゴリウス1世が体系化し、のちにキリスト教倫理の柱のひとつとなった。P・J・オロークはその伝統を「scribbled(走り書きした)」と軽んじた表現で笑いに変えつつ、現代の価値観との距離を指摘している。

「a deadly sins addendum is long overdue(七つの大罪の追加はとっくに必要だった)」という提案は、現代の行動様式やテクノロジー、消費文化、政治的偽善などが、もはや古典的な「罪」では捉えきれないほど複雑かつ滑稽になっていることを暗に示している。たとえば「SNSでの自慢」や「過剰な自己肯定」、「情報の消費中毒」など、現代的な「新しい罪」を皮肉として暗示しているとも読める。

この名言の核心は、宗教的道徳律が時代とともにアップデートされるべきではないかという逆説的提案にある。もちろん真意としては道徳の改訂を真面目に求めているわけではなく、古びた価値観に縛られた倫理の限界と、現代の奇妙な振る舞いを照らし合わせることで生まれる滑稽さを笑っているのである。道徳、宗教、社会風刺が一体となった、知的で皮肉な一言である。

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