「愛国心とは、悪人の美徳である」

オスカー・ワイルド
オスカー・ワイルドの名言
  • 1854年10月16日~1900年11月30日
  • アイルランド出身
  • 作家、詩人、劇作家
  • 『ドリアン・グレイの肖像』『真面目が肝心』『サロメ』などの小説、戯曲、詩を執筆し、ウィットに富んだ社会批評とユーモアを通じて、19世紀後半のイギリス文学に大きな影響を与えた

英文

“Patriotism is the virtue of the vicious.”

日本語訳

「愛国心とは、悪人の美徳である」

解説

オスカー・ワイルドはこの名言で、愛国心という概念の皮肉な側面を指摘している。愛国心はしばしば尊いものと見なされるが、ワイルドは、それが自己中心的で攻撃的な目的に利用されることもあると示唆している。「悪人の美徳」としての愛国心は、権力者や暴力的な者が自己正当化のために国を利用し、他者を排斥したり抑圧したりする口実にされる場合がある。この言葉には、愛国心が必ずしも純粋で善意に満ちたものではなく、悪意や排他性に基づく場合もあるという、ワイルドの鋭い社会批評が込められている。

この名言は、現代においても愛国心とその悪用について考えさせる。愛国心は国や文化を愛し誇りに思う感情であるが、時には排他的で攻撃的な行動を正当化するために利用されることがある。たとえば、異なる意見や異文化を排除するための道具として、または政治的な支配や影響力を高めるために「愛国心」が強調されることがある。ワイルドの言葉は、愛国心が持つ二面性と、それが悪用される危険性に対する警告であり、国や文化を大切にする一方で、他者への寛容や公正さを忘れないことの重要性を示している。

また、この名言は、美徳としての愛国心の限界と危うさについても触れている。愛国心は共通の目的やアイデンティティを共有する力を持っているが、それが他者を排除し、自己中心的な動機で行動する口実にされると、愛国心がもたらす価値は失われてしまう。ワイルドはこの言葉を通じて、愛国心の内側に潜む攻撃性や排他性に目を向け、愛国心が真の美徳であるためには、他者への寛容さや普遍的な正義と結びつく必要があることを示唆している。この名言は、愛国心が持つ矛盾や危険性について再考し、国や文化を愛する心をどのように健全に育むべきかを問いかけるものである。

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